日本人の英語力

大学生の英語力 ・ ある街角での光景

とある街角で大学生と思しき二人連れに、観光客らしい外国人が駅への道順をたずねていました。「おい、おまえしゃべれるか?」「うーん、おまえがしゃべれよ」とかなんとか譲り合いしながらも、そのうち、一人のほうが仕方なくしゃべり始めました。

 

「ストレイトゴー、ええっと、デパートメントフロント、ゼアリズ ステーション」と、ざっとこんな調子です。はたして通じたかどうかは定かではなかったのですが、アメリカ人らしきその中年の男性は、微笑みながら去っていきました。

 

【8年も英語を習ってきて、道案内一つできない大学生の英語力】

 

外国人に道をたずねられる。クローバル化社会の今では誰でもいたるところでこうした場面に出くわします。でも悲しいかな、大学生である彼らですら、この程度の英会話力しかないのです。これまでに少なくとも8年ぐらいも英語を学んできているにもかかわらずです。

 

でもこれは決して彼らだけの問題ではありません。ほとんどの人が中学、高校を通じて6年間も英語を学んでいる現在の日本で、こうしたときにすらすらと答えられる人は僅か数%もいないのですから。

 

日本人の英語下手のことは、今や国際的にも広く知れ渡っている事実のようです。その証拠に、国際会議などに出席した日本人が「ジャパニーズのスリーS]と言われて外国人からよく揶揄されるそうです。

 

スリーS、つまり、だんまりを決め込むSILENCE,狸寝入りのSLEEP,それに照れ隠しでやるSMILE。この三つを称して日本人のスリーSというそうです。なかなかよくできている例えですが、言われた当事者にとってはまことに締まらない話ではありませんか。

アジアでも最も低い日本人の英語力

2010年に実施されたアジア30ヵ国の英語能力判定テストTOEFLの得点ランキングによりますと、英語が公用語のシンガポール、準公用語のインドが1位と2位であったのは納得できます。

 

しかし、日本の得点は70点で参加30カ国中27位という低い順位だったのです。ちなみに日本より低い点数だったのはラオスの67点、タジキスタンの66点、カンボジア63点の3か国だけなのです。

 

ではいつも何かにつけて比較される韓国はというと、第9位でベストテンにも入るという好成績なのです。しかし日本はどうしてここまで英語力の低い国になってしまったのでしょうか。その原因はいったい何にあるのでしょうか。

 

【アジアで27位、何故日本の英語力はこんなに低いのか】

 

ある程度低いことは予想されていたわが日本の英語力ですが、アジアの中でもこれほどまで低いということを果たして皆さんはご存知でしょうか。アジアといっても、もちろんシンガポールやインドなどの英語先進国もありますが、中国や韓国、それに台湾などの英語教育事情はわが国とよく似ており、力にしてもそれほど変わらないはずです。

 

それにもかかわらず、実際のテストの結果ではこれほどの差がついているのです。でも、それも仕方がないかもしれません。例えばこの20年ぐらいを眺めてみても日中韓3国の英語教育事情は大きく違ってきています。

 

その具体的な例として小学校の英語教育に目をやってみますと、昨年ようやく始まったわが国小学校英語教育は、韓国に15年、中国に11年もの後れをとっているのです。それに授業時間にしてもいまのところ中国や韓国の半分以下でしかないのです。

 

いったいどうしてこれほど差ができてしまったのでしょうか。